新井由己の仕事帖

2003年12月02日 (火)

韓国 近い昔の旅 

 23歳のときに初めて韓国に行った著者の神谷丹路さんは、日本とはあまりにも「似て非なる異国」だと感じた。1年間の留学期間にさまざまな友人と出会い、日本について関心があるのに日本が好きではないという不思議な心の内面をうかがい知る。
 留学中にシャーマニズムに興味をもった神谷さんは、韓国内の各地へ積極的に出かけている。いちばん近い異国なのに、これほどまでに異なる原因はどこにあるのか、そのもどかしさを埋めるための行動だったのかもしれない。
 しかし、帰国してから数年経ち、もっと近い時代にその原因があることに気づく。それは、韓国を植民地として日本が支配していた歴史の事実だった。「日帝時代」と呼ばれるあの時代について、日本人と韓国人の間でギャップが大きいのではないだろうか。
 神谷さんは、最初に韓国を訪れて以来、「植民地時代をたどる」旅を10年間繰り返してきた。本書は、その10年間の旅の報告でもある。ただし、日帝時代がどういう時代だったのか、そして神谷さんにとって何なのかという答えはまだ出ていない。
 20編の旅のエピソードに19本のコラムが加わり、さらに「私の旅のキーワード」として語句の注釈が膨大に書き出されている。韓国社会の雰囲気、日本に対する意識、韓国の文化、そして日本と韓国の歴史がよくわかる、実にいい本である。

※僕が持っているのは94年3月の初版本で、現在は増補版が出ています。

著 者/神谷丹路
発行所/凱風社
発行日/増補版 2001年6月
定 価/1900円+税
A5版・269頁・並製
ISBN4-7736-2512-0

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