新井由己の仕事帖

2005年09月30日 (金)

捨てるな、うまいタネ 

 お米や大豆のように、タネそのものを食べているものもあるが、野菜や果物のタネは取り除いて捨てられる運命にある。ところが、生ゴミを畑に埋めたら、そこから立派なカボチャが育ったというほど、タネの生命力は強い。
「捨てていたタネが、芽を出し、葉を広げ、樹になる!! 今日のおかずに使ったカボチャのタネ、デザートのリンゴのタネ、なんでもいいからとにかく今すぐまいてみてください。たった一粒のタネに、楽しいことがたっぷりとつまっています」
 そんな提案をする本書は、ゴミ同然に捨てられていたタネが、植物の生命の元であることをあらためて気づかせてくれる。園芸店でタネを買わなくても、ガーデニングを始めようと気負わなくても、食べ残したタネから芽が出ることがわかれば、植物をもっと身近に感じられるのではないだろうか。
 市販されているタネは、しっかり発芽して育つことが当たり前。ところが捨てられるはずのタネは、発芽するかどうかもわからない。果物のタネならば、成長して実を結ぶまでの期間も長いし、育てる場所も必要だろう。
「ガーデニングと無縁のあなたにこそ、発芽を体験してほしい。タネが芽を出すということが想像以上に感動的なことであり、しかもその芽が葉をつけ、茎を太くし、ぐんぐん成長していく過程を見守るのがどんなに楽しいか、ぜひとも味わっていただきたいのです」
 著者は「タネまきは文化である」と言う。江戸時代、大名から庶民まで、朝顔ブームに沸いた時期があったそうだ。花の形や色に特徴があるものをかけ合わせて、オリジナルの「変わり咲き朝顔」を育てて品評会が行なわれていた。
 同じように、捨てられるはずのタネをまいて、どんな芽が出て、どんな花が咲くのか、じっくり観察してみるのも楽しい。新しいタネが採れたら、それをまいてみよう。そのうちに、自分だけの品種が生まれるかもしれない。そう考えたら、タネを捨てるのがもったいなくなってきた。

著 者/藤田雅矢
発行所/WAVE出版
初 版/2003年5月31日
定 価/1300円+税
四六判変型・232頁・並製
ISBN4-87290-155-X

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