新井由己の仕事帖

2007年06月22日 (金)

てんとう虫 森と生きる

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http://www2.uccard.co.jp/campaign/tentou/
 UCカードの会員情報誌『てんとう虫』7・8月号の特集「森と生きる」に関わりました。

佐渡 知られざる原生林を踏む
文=新井由己 写真=柳生雄弐

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 佐渡島へ“知られざる原生林”の取材に行ったあと、植物生態学者の宮脇昭さんにお会いする機会がありました。エッセイストの乳井さんを聞き手とした対談の文章をまとめ、撮影も行ないました。
 79歳という年齢ながら、非常に若々しく、話す言葉も猛スピードで、テープ起こしは通常の3倍くらいかかりました。端々に現れる哲学といえる言葉に、本当に刺激を受けました。

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 宮脇さんが提唱し、世界各地で植樹している方法が「潜在自然植生」という考え方です。これは、すべての人間の干渉を停止したと仮定したときに、現在の自然環境が支えうる自然の緑や森のことを指します。日本では「鎮守の森」がその代表らしく、明治神宮のような人工的な植樹も含まれます。宮脇さんの調査では、日本には土地本来の森は0.06%しか残っていないそうです。
「多くの種類を混ぜる、混ぜる、混ぜる。好きなものだけ集めない。生物社会では『最高条件』と『最適条件』は違うんですよ。植物はすべて好きなところに生えている思ったら大間違いなんです。自分の最高条件から、ちょっとずらされて、我慢が必要な所で生きている」
 この言葉を聞いて、金子みすずの「みんなちがってみんないい」を思いだしました。本来、その土地に生えていた種類を混植・密植することで、競争しながら森を作っていくのです。この方法で、熱帯雨林の再生も始まりました。
 最初の3年間は下草刈りなどの管理が必要ですが、そこから先は植物たちの共生によって手がかからないそうです。山奥でなくても、都会にもこの考え方で植樹していて、防災面でも役立っています。
 友人夫妻が無農薬の植木屋をやっているんですが、「潜在自然植生」の植木屋っていないのかなと、ふと思いました。

 宮脇さん自身が書いた本もたくさんありますが、いちばんのお勧めは『魂の森を行け−3000万本の木を植えた男』(一志治夫/新潮文庫)です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/宮脇昭

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