新井由己の仕事帖

2010年02月26日 (金)

天然物のたい焼き 

たい焼きに“天然物”と“養殖物”があるのをご存知だろうか?

実はこれは鋳鉄の型の違いで、複数匹が同時に焼けるものが養殖物で、1匹ずつ焼くものが天然物なのである。

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この定義を決めたのは、写真家の宮嶋康彦さんだろう。『たい焼きの魚拓』というユニークな本があり、この本が出たときはその内容に感心したものだった。実は宮嶋さんとは1988年に『BE-PAL』の企画で奥の細道を逆に歩いたことがある。といっても当時の僕は読者参加のひとりだったが……。

今年1月に、鎌倉で天然物のたい焼きの店がオープンしたことを、インターネットの『湘南経済新聞』で知った。「きっと、宮嶋さんも行くのだろう」と思いつつ、天然物にこだわる若者の店に、僕も機会があったら訪ねてみたいと思っていた。

現在、神奈川のカフェ本の取材で湘南方面によく出かけており、鎌倉へは何度も足を運んでいた。そして、由比ヶ浜駅から取材先のカフェに向かう途中、くだんのたい焼き屋にばったり出会ったのである。こうなったら、立ち寄らないわけにはいかない。取材の合間の時間に、天然物のたい焼きを食べに行ったのだ。

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■たい焼き なみへい
 鎌倉市長谷1
 0467-24-7900
 月曜休
 http://tainamihei.exblog.jp/

「ウチのたい焼きは小麦粉と重曹しか使ってません。それがいちばんおいしいし、昔ながらの作り方だと思うんですよ。こうやって一匹ずつ焼いているとたしかに焼ける量に限りはあるけど、学校帰りの子どもたちがのぞき込んでくれるのがうれしいんですよ。買って食べてくれなくても、見てもらって話ができるだけでもいいんです」

そう言いながら、店主の濱田紳吾さん(25)はリズミカルにたい焼きの型を回転させていた。

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たい焼きが生まれて、2009年で100周年を迎えたそうだ。今川焼きを焼いていたある人が「尾頭付きの鯛を食べられるように」と思い、たい焼きの形にしたのが始まりだという。

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あんこも自家製で、こしあんのような食感の「つぶしあん」(150円)のほか、黒ごまあん(170円)、焼き栗あん(200円)、抹茶あん(200円)などがある。天然酵母のパンやフランス菓子の経験があるだけに、無添加のあんこや生地には優しい味わいが凝縮している。国産小麦のドーナッツやかき氷など、今後の展開にも期待しよう。

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最近は「白いたい焼き」が話題になっているが、伝統的な天然物のたい焼きを焼き始めた若者を応援していきたい。

以下、余談。

店主の濱田さんに話を聞いているときに、大森のケララの風のシェフを思い浮かべました。顔つきや話し方がそっくりなうえ、こだわりの面でも共通点がありました。

以下、読売新聞の記事から。

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