2007年06月14日 (木)
ロイヤルホストの「ミールス」
ロイヤルホストは毎年夏になると「カレーフェア」を開催しますが、今年はなんと南インドの「ミールス」が登場です。特設ホームページを見ると、ケララ州からパロータを直輸入(国内で作ったほうがおいしそうだけど……)するそうです。
ところが!

写真手前から右回りに、タンドリーチキン、カシミールビーフカレー、ムガールチキンカレー、バターシュリンプカレー、パロータ。その裏にライスとサラダが見えてます。
このメニューを眺めると、パロータを除いてほとんどが北インドのメニューです。いったい、だれがこんな企画をプロデュースしたのでしょうか?
あまりにも誤解を生みそうなので、「お客様相談室」から以下の文面を送っておきました。6月19日からメニュー内容が詳しく公開されるようなので、また報告したいと思います。
■
「ロイヤルホスト 25th 夏カレーフェア」について
はじめまして。食文化研究家をしている新井と申します。数年前から「南インド料理」をマスコミで紹介してきた一人です。
今年は南インドのカレー定食「ミールス」を提供するということを、貴社のホームページで知りました。中華料理のように、インド料理も各地で味やスタイルが違います。インド料理を愛する者のひとりとして、今回の「ミールス」企画は喜ばしいことですが、具体的なメニューを拝見すると、パロタを除き、ほとんどが北インド料理でがっかりしました。この「ミールス」が南インド料理であると誤解されてしまうと、インドの食文化が間違って伝わる可能性があります。
ファミリーレストランは、いまや日本の食を支えていると思っています。ぜひ、正しい食文化を伝えていただくよう、お願いします。
※参考資料
『サンデー毎日』(06年02月05日号)
http://yu-min.sakura.ne.jp/photo/060205sanmai.pdf
『週刊プレイボーイ』(06年08月07日号)
http://yu-min.sakura.ne.jp/photo/060807wpb.pdf
■6/16追記
今朝、ロイヤルホストのサイトから「南インド」の文字が削除されました。それについての質問を、さらに送ってみました。
「ロイヤルホスト 25th 夏カレーフェア」について
14日に「南インドのミールス」について意見を送った食文化研究家の新井です。今朝、該当サイトを見たら、「南インド」の文字が消えていました。この経緯について、説明していただけたら幸いです。
このまま何も訂正がないままですと、不要な憶測を呼びます。現にネット上では、ロイヤルホストは「南インド」という言葉に対して、消費者がどのくらい反応するか見ていたのではないかという声もあります。
このほかに「ミールス」ではなく「ターリー」ではないかという声もありますが、それはともかく、印刷物や店頭POPも訂正されたのでしょうか? 消費者の意見を聞いて作り直したのであればその努力は評価されると思いますが、それがはっきりしないと、最初からマーケティングのために使っていたと思われるかもしれません。
なお、この質問は以下のネット上で公開させていただく予定です。
http://www.yu-min.jp/archives/2007/06/post_148.html
では、返信をお待ちしております。
■6/17追記
前回のメールを送ったあと、すぐに以下の返信をいただきました。誠実な対応で、少し安心しました。
新井 由己 様
この度は、当社カレーフェアに関して
ご意見を賜りありがとうございます。
いただきましたご意見を真摯に受け止め、
現在再検討をしております。
今後の方針につきましては
改めてご返信をさせていただきますので、
この間しばらくお時間をいただきたくお願い申し上げます。
また、ホームページでございますが、
刷新準備のため掲載を控える予定でございます。
〒154-8584
東京都世田谷区桜新町1-34-6
ロイヤルホールディングス株式会社
お客様相談室
室長 ●● ●●
Tel:03-XXXX-XXXX
■6/18追記
続いて、以下の返事をいただきました。
新井由己様
先日は、弊社カレーフェアに関するご意見をいただき、ありがとうございました。
この度のカレーフェアは、南インドのイメージを少しでもお客様にお伝えしたいという目的から、南インドで食されています「パロタ」と数種類のカレーを少しずつプレートにのせ、ご飯やパロタ等で食べる「ミールス」という食べ方をご紹介させていただくことを主旨としておりました。
しかしながら、新井様はじめ多くのお客様から同様のご意見を頂き、社内で協議致しました結果、販促物にある「南インドを食べる!パロタ、ミールス」という表現では、あたかも南インドで食されているカレー及び食材と同一であるとの誤解をお客様に招きかねない内容であると判断し、今般のご指摘につきまして真摯に受け止め、「南インド」「ミールス」という表現を変更させていただくことに致しました。
本来であれば、その部分を訂正した後にフェアを開始すべきところではございますが、既に多くのお客様には6月19日より開始させていただくことをお知らせ致しております都合上、カレーフェアは予定通り開始させていただき、販促物への「南インド」「ミールス」という表現への変更は、約1週間を目安として訂正を実施していく予定でございます。
何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
これに対して、以下の返信をさせていただきました。
ロイヤルホールディングス株式会社
お客様相談室・●●さま
このたびは、お騒がせしてすみません。
おそらくほかの人からも指摘があったと思いますが、
カレーのラインナップを考えると、
北インドの「ターリー」と呼ばれる定食であれば、
これほど違和感はなかったと思います。
今回、ターリー(お盆)とカトゥリ(カレー容器)を導入したので、
それを生かす方法として、
北インドの「ターリー」スタイルにしてはどうでしょうか?
その際、パロータが浮いてしまいますが、
オプションとして北インドで親しまれているナンの代わりに、
「南インドのパン・パロータ」を提案するのはいかがでしょうか?
せっかくの企画なので、いい形で進むことを期待しています。
■6/19追記
ロイヤルホストの特設ホームページがリニューアルしたようです。
〈インド・ケララ州直輸入の「パロタ」で食べる夏のカレー〉
定食スタイルもパロータも残り、うまく方向転換してくれました。僕は「ターリー」にしてはどうかと提案しましたが、もっとすっきりしていいですね。メニューのところでは、パロータをカレーに付けたり、ライスにカレーをかけたりと、インドの定食スタイルの楽しさも紹介されています。
全国から見れば数少ない南インド料理ファンの声を受け止めてくれたことで、ロイヤルホストの企業姿勢は評価が上がったと思います。作りたてが命の南インド料理は、大手チェーン店では実現が難しいと思いますが、期間限定のフェアだからこそ、チャレンジしてもらいたいという希望もあります。でも各店舗にインド料理シェフを配置するのは現実的ではないか……。
■6/24追記
山梨だと甲府市街まで行かないとロイホがなかったので、東京に戻ってすぐに行ってみました。メニューなどは1週間をめどに順次入れ替えるようなので、そろそろ新メニューになるかもしれません。それにしても、メインメニューまでその影響があることがわかり、かなりの英断だったことを感じます。なお、お詫び文は入った右側のアイスケースの上にA4サイズで立てかけてありました。
3種類のカレー定食+ドリンクバーで、2040円也
3種類のカレーは、ロイヤルホストが毎年提供してきたものと同じで、さすがにうまくまとまっています。タイのバジルいためご飯なんかも、けっこうおいしいんですよね。カシミール・ビーフカレーはスープカレーっぽくて、ちょっと辛め。ムガール・チキンカレーはトマトの酸味が後味に残る中辛。バター・シュリンプカレーはクリーミーな甘口。タンドリーチキンは、メニューの説明では「オーブンでタンドリー風に焼き上げました」と説明があります。
パロタは、現地のケララパロタそのものといっていい気がしました。最初は冷凍パロタを輸入するというのに批判的でしたが、ファミレスで提供することを考えると無理がないし、この選択は正しかったと思います。ちょっと違うけど、冷凍のさぬきうどんもかなりおいしいですし。
もちもち感はなかなかで、パリパリした部分との違いも楽しめます。このパロタがファミレスで食べられるというのに、ちょっと感動しました。出てきたときに「手で挟むようにほぐしてから食べてください」と説明がありました。インドでは焼き立てのときに店の人がたたいてくれますが、冷凍パロタをオーブンで焼いているはずなので、客のほうでほぐす必要があるのでしょう。両手で挟むと手が脂っぼくなるし、豪快にたたかなくても、食べるほうの手でぎゅっとつぶす感じでいいと思います(焼き立ては熱いので注意)。
ムガール・チキンカレーとバター・シュリンプカレーは、パロタにもすごく合っていておいしかったですが、カシミール・ビーフカレーはいまひとつ。これはライスとも合わない気がしました。だから次は、2種類のカレー定食にするつもりです。ある人はロイヤルホストの誠意に応えるため週に1度は行くと言ってましたが、僕も期間中に何度か食べに行く予定です。
値段が高いという声もありますし、個人的にもそう思いますが、ロイヤルホストはファミレスのなかで高級なイメージと味で差別化しているので、ほかのメニューと比べたら適正価格でしょう。
■7/8追記
ひさしぶりに食べに行ってきました。
今回は2種類のカレーセット+ドリンクバーで、1740円也。
タンドリーチキンをビシソワーズに変えてみましたが、
ターリーが寂しくて、ちょっと後悔しました(笑。
せっかく頼むんだから、タンドリーチキンのほうがいいですね。
右手で持ったパロタを縦にして
ターリーにおしつけるようにつぶすと、
いいぐあいになります(今回の学習)。
先日、私もロイヤルホストでカレーを食べてきました。
この‘ミールス騒動‘についてまったく知らずにいったのですが、、、
会計をする為の伝票に、ミールスという単語があり、最初は、業務用語かと思ったのですが、気になったのでネットで検索したらここがヒットしました。
他のところで調べて、ああ、私は南インドの文化に触れたんだ、と思ってのこの記事なので、正直がっかりしました。
でも、とても美味しかったので満足はしてます。
私は、カシミールカレー、大好きです。
↑Top: Posted by: かえ : 2007年08月01日 03:30かえさん、コメントありがとうございます。
まあ、ケララ州から直輸入したパロタは南インドの味ですから、
それだけでも「南インドの文化に触れた」といえますよ。
東京近郊にお住まいなら、
南インド料理を出すインド料理店は増えているので、
ぜひ食べに行ってください。
